第6章 スカビオサの予兆
スプーンに経口補水液をとって、彼女が脱水状態にならないように飲ませようとする蜻蛉。
しかし場所は変わって蜻蛉の部屋…そこにある椅子に拘束され、とても介抱しているようには思えないような剣幕で二人は対峙している。
「飲め…そろそろ怒るぞ」
『い、んない…らな、……ッッふ、… !!、?!!』
ギュッとリアの尻尾の根元を手で掴み、それに動揺し、身体を痙攣させる彼女をものともしない蜻蛉。
やり慣れてんな、こいつ…けど、なんでこんな方法。
『あ、あ…あぁ…ッ』
「聞かないならお前の嫌いな方法でいくが?…調教コースは大好きだろう」
『ッ!!!、…あ、れ嫌…嫌い、……嫌…っ』
「それならば水分を摂れ、そして落ち着くのだ。お前の恋人が心配しているぞ」
『……カゲ様、は…、?』
「それ以上聞くなら構ってやらん」
構ってやるくらいいいだろ、そこまで言わなくても…
そう思った瞬間、彼女は耳を垂らしきって、蜻蛉の差し出していた匙に口をつけて飲み始めた。
やけに素直じゃねえんだな、こいつ。
「よし、いい子だ。美味いか?」
『…気持ち悪い』
「何が気持ち悪い」
『……生きてる心地が、する』
「そうか。私もするが?…中也殿に飲ませて欲しくはないか?」
ピク、と、へたりきっていた尻尾に力が走る。
『…らな、い……リアのと、こ…いらない』
「どうした、何がそんなに恐ろしい」
『こっち、来るから…の、に……起きたらいな、…っ』
「…中也殿にどうして欲しい?」
『……どっか、行っ…ま、ッ…!…カゲさ、まそ、こヤダッ…やだって言っ!!!』
「嘘をつくように育てた覚えはない」
膝を縛っていたそれが開いて、上に上がる。
自身の最も恥ずかしい恥部をさらけ出すような形で脚を開かされたそいつのそこに、躊躇いもなく蜻蛉の指が触れ始める。
「陰核から苛めてやろうか…一回目の反抗だしな、優しくしてやる」
『ッひ、っっ!!!?』
下着の上からピンポイントにそこを摘む蜻蛉の手に、リアの身体が仰け反る。
「好きだろう?このまま下着ごと擦りつけられるの」
『ぁ、あ…や、だめ、それだめ、強いのや…ッ、…すぐくる、きちゃ…「だがここでやめるドS!!ふふふ、久しくて忘れていただろうリアちゃんめ…お前の大好きな私の調教だぞ」ッあ、…』
脚が震えてる。
寸止めされたんだ、直前で。