第6章 スカビオサの予兆
渡狸が闘争心を燃やすそう君に、言葉のまま巻き込まれた凜々蝶ちゃんとの勝負の決着をつけるべく開催されたというこのパートナークイズ大会。
そしてそこにそのまま巻き込まれるカルタに連勝、野ばらちゃんと私達。
が、他のパートナーとの勝敗にこだわらない私と中也さんに課せられた特別ルールによって…
「じゃあリアたん、次の質問ね〜!今中也たんが飼ってみたい動物は??」
『え、き、狐…っ』
「もっと詳しく言えねぇか?リアちゃんよォ」
『さっきからそんなのばっかりで中原さん楽し「あっれ、もしかしてまたはずれ?はい中也たん、好きなように命じてみよっか」ち、違うの!!?』
私はとんでもない方向へと導かれつつある。
首輪を付けられ、手錠をはめられて完全変化…まではいい。
これ以上に何するのこの人、どうするつもりなのこんなことして。
「次はどうすっかなぁ…じゃあ、撫でさせて?」
『…そ、それくらいなら構わな…っひ、……ぁ、だ、だめそこ擽った…ッあ、…っっ』
頬に手を添えたかと思えば、耳の裏や首筋にかけて、指の腹で撫で始める中也さん。
今の現状も相まって、こんな触れられ方されるとたまらない…ただでさえ、朝まであんなことしてたばっかりなのに。
絞り出すように漏れでる甲高い鳴き声。
触れてもらえるのが嬉しいのに、どこか興奮して焦れったくなって…尻尾まで力ませるように、彼に手篭めにされる。
『こ、のなでなで、嫌いッ…や、やだっ…ぁ…!』
「嫌か?俺はリアが可愛いから好きだけど」
『ひにゃ、ッ!!?』
チュ、と狐耳に口付けされればもう堪らない。
ダメだこの人、天性の甘やかし上手だ多分。
『は、はわ…ぁ……り、リアのこと飼ってぇ…♡♡』
「うわぁ、えげつな〜…あんなリアちゃん初めて見たよお兄さん。リアちゃん、俺にも飼われてみな「『はい…??』」冗談だからそんな目で揃ってこっち見ないで」
『…連勝は、狐好きなの?』
「え?そりゃ大好きだけど」
『……ふぅん、そう』
ちょっとだけ、安心した。
こっちは良くしてもらってる身なのに、いつもろくな態度を取れなかったから。
そして、いつの間にやら普通に私の好きなように撫でてくれるようになった中也さん。
『は、わ…っ…』
「…んな上目遣いで見つめてくんな」
『…やだった?』
「大好きだよ可愛いなコノヤロウ…!!!」