第6章 スカビオサの予兆
大人しく中也の用意したお茶菓子と共に、テラスまで出てお茶の準備。
と思いきや、テラスには多くの先客が。
渡狸、カルタ、凜々蝶ちゃんの学生組三人とそのシークレットサービス達。
加えて連勝に野ばら姐様。
何やら、学生組が集まってテスト勉強をしているらしい。
「あらリアちゃん、おはよう♡お姉さんに会いに来たの??」
『う、ううん。中也がお茶いれてくれたから、折角晴れてるし外でと思って…』
別のテーブルに用意した物を置いてから、私が野ばら姐様の元に行こうとしたのを察して着いてくるその人。
「そうなのね。ちなみに今日のお洋服は誰の趣味??分かってるじゃないの、ミニ丈ふわふわシフォンスカートに絶対領域ニーソのガーターって…ガーターって!!!」
「俺の趣味だ。あんた分かってんな」
「な、中々やるじゃない中原…今日のリアちゃんの下着の色は?」
「今日は確かミントグリーンだった気がす『よ、よく覚えてますね?』俺が言うのもあれだけどお前もっと突っ込む要素色々とあるからな??」
突っ込むも何も、今日の下着のチョイスは貴方なんだから特には…
『…の、野ばらちゃん。あ、あの…野ばらちゃんはどんな下着が性的な意味でタイプ??』
「「「ブッッッ、」」」
「え、ええ?どうしたの突然…正直何でもこいなんだけど、そうねぇ……解けるタイプの紐」
「「何を教えてるんだ!!!!」」
渡狸と凜々蝶ちゃんから突っ込まれるが、それでも私にとっては貴重な意見だ。
『そ、そうなの…?…り、リアが履いてもおかしくないかな』
「リアちゃん履くの!!?お姉さんがプレゼントしてあげようかしら!?お部屋においで!!!」
「俺が同伴するなら許す」
『行く…!ち、中也が好きそうなの欲しい…』
ピタリと、先程まで興奮気味だった野ばら姐様でさえもが固まる。
そして、中也さんの方を向いて助けを求めようとすると…本人が一番動揺して顔を真っ赤にさせていた。
『…中也?』
「……わ、悪い。雪小路、俺ここで待ってるわ」
「あんたそのポジション本当に役得ね…?」
かの野ばら姐様は、女の子達に押し付けるため、開封していない女性用のありとあらゆる趣味の品を部屋に隠している。
私に偶にお裾分けしてくれることもあったほど。
やはり、年上のお姉様を参考にするのが一番だろう。
『中也来ないの、?』