第6章 スカビオサの予兆
結局強請りに強請り続けた結果、向こうが抑えられなくなったらしく、互いに体力が限界になるまでキスの嵐は止まない。
そう、止まなかった、ではなく止まないのである。
『ぁ、あ……ッ…♡ぁ、ン…ッッ、!!♡』
外が薄らと明るくなってきたせいで、彼に顔が見えるようになってきた。
こんな、どうしようもなくだらしなくなった顔。
体になんか、とっくに力入らないのに。
腰も砕けて、息もまともに吸えなくて…でも苦しくならないくらいに吸わせる余裕は与えてくれて。
こんなの、堕ちるに決まってる。
「…ほら、手ぇまた離してる。捕まえとかねぇと食われんぞ」
力の抜け切った手が彼の身体からベッドにずり落ちる度、耳や尻尾を愛撫されて、それと一緒に敏感なところを撫でたり、舐めたり。
緩やかな波が、絶え間なく私を襲ってくる。
ここまでくると、快感だなんて可愛いものじゃない。
これは最早、私を逃してくれない檻だ。
『も、無理…無理…ッ!!!』
「はいはい、もう少し頑張ろうなぁリアちゃんは」
『ンンン!!!、ン〜〜〜ッッ!!!!』
私が音を上げると、彼は私に唾液を飲ませる。
よもや、途中からそれ欲しさに泣き言を言うようになったのかどうかさえ分からなくなってきた。
「そろそろ覚えてきた?俺の味は…吐き出しちまえばいいもんを、結局全部飲んじまうどころか吸い付いてきちまうあたりが可愛いよなぁほんと」
撫でられて、胸がまた高鳴らされて、軽く達する。
これが、おさまらない。
変な身体になってってる、私。
助けて。
イきすぎて、おかしいの。
こんなの知らないの。
『たす、け…っ』
「…、やめるか?」
『や、ぁだ…ッ…ちゅうやさ、もっとシてっっ』
「どっちだっつの……っ、…つうか数時間前までの威勢はどうしたよ、襲ってくれっつってたの誰だったっけ?お姫様、!!」
きゅぅ、胸の尖りをつままれる。
それに声にならない悲鳴を上げるように甲高い声で鳴けば、彼はついに…やっと、私の濡れに濡れたアソコに指を伸ばして、下着の上から撫で始めてくれたのだ。
「あーあー、こんなに濡らしちまって……辛かったか?もっと気持ちいい方が好きなんだっけ」
『あ♡す、き…なかはらさ、ん……触って、る…♡なかはらさんが触っ…♡♡』
「…腰自分で揺らしちまってまあ…そんなに好きかよ。脚開け、可愛がってやる」