第5章 蛋白石の下準備
朝食を終えてから、そのまま彼女の唇へ口付けを続行する。
感じているのか敏感になっているのか、触れる度にビクリと肩が跳ね、もどかしそうにして脚をもぞ、と動かし、手を握って羞恥に耐えている。
「…欲しい?」
『!!、…っん、…くら、さぃ…ッ』
「んじゃ、口開けて」
親指でその薄く桜色に色付いた唇に触れ、下唇を開かせる。
そうすれば彼女は俺の指に抗うことなく、口を開けていく。
そこに自身の舌先を合わせるように下に垂らせば、あまりの羞恥からかリアは目を瞑ってしまった。
「目、閉じちまう奴にはあげねぇけど?」
『ッ、ぁ、…ふ、……っ、ぅ……、』
「ん、いい子」
彼女が俺の目を見つめたのを確認してから、どちらのものとも分からなくなるほどに混ざりあった唾液を垂らしていく。
これが驚く程に唆る。
こんな事を仕込んでいるのだから、こいつもそろそろ嫌がればいいのに…何やら寧ろ欲しいらしい。
『ぁ、…あ、ぁ……っ……ん、♡』
「……そんなもんが美味いの?」
『っは、…ちゅ、うやの………リアの、だもん…』
独占欲様々だなこりゃ。
とんでもないもんに目覚めさせられてやがる。
もろ俺の好みでしかないのだが。
「へぇ、嬉しいこと言ってくれんじゃん…けどお前、気付いてる?今俺の事煽んの、相当やべえって」
『…“イイよ”』
まだ、デートの途中でしょう?
言ってる割にこちらを見れはしないらしい。
が、そもそもこういう事はあまりにも初過ぎて、俺にリードして欲しいとまで言っていた程だ。
乙女というか、純粋というか…
彼女の言葉を受けて、先に脚を開かせる。
が、今は時間帯が時間帯なのもあって相当に恥ずかしいらしく、両腕で顔を隠してしまう程らしい。
それくらいはまだ許してやるか。
「…夜よりよく見える。……恥ずかしくねぇよ、綺麗なんだから」
『や、っら、……、なん、か…中原、さんに見られるの…はずっ、かし…!』
「!へぇ?…恥ずかしがってんの?裸見られても平気だっつってたのに」
『わ、わかんない…っ、……初めてなんだもん…こんな…、』
それはいいことを聞いた。
男として意識しているということを自覚してはいないらしいが、彼女の中での俺の立ち位置がそうであるということに更に確信がもてた。
「…もうヌルヌル。可愛いぞ、リア」
一本ずつ、また入れていく。