第5章 蛋白石の下準備
外が明るくなってきて、自然とそれに目が覚める。
『ン、…ちゅ、ぅ…ゃ、さ……』
が、少女の寝顔を堪能していると、目が覚めてから一瞬でフリーズされてしまった。
「ん?…おはよ、リア」
『…、おはよう、ござい…ます、…♡』
色々と一気に思い出したのかなんなのか、一瞬で変化してしまった。
朝から可愛んだけどなんだこの生き物。
「あー、その…リアちゃん??…起きたばっかで悪いんだけど、着替えてもらっていいか?……朝から目に良すぎるから、本当」
はわわわわ、と口も閉じられずに真っ赤になる様は見ていて飽きないしなんならカメラに納めたいところなのだが、ちょっといけない部分まで見えてるのはよろしくない。
たまにあることではあるのだが、こればっかりはよろしくない。
俺に。
『…胸触る??』
「触りません」
『じゃあ揉む?いいよ??』
「朝からするわけねぇだろ、朝飯いらねぇのかお前…」
『リア着替えました』
俺より飯か。
知ってた。
しかもやけに早かったぞ今、なんなんだその技は。
一瞬で洋服着てきやがった。
「…おい、何外向いてんだ」
『………中也さん、が…あ、あんまりにもいい身体してるから、その…』
目のやり場に困るんですってか。
「俺の毎日の心境分かったか?」
『?で、でも男の人は女の子の裸見たいのが性なんでしょう??』
「まあ、確かにそれはそ…いや待て、おかしいからその理論は。蜻蛉の入れ知恵は本当に真に受けちゃいけねぇやつがほとんどだから!!!」
服を着ながら諭す。
ダメだこいつ、変な英才教育受けて育ってやがる、危ないにも程があんだろ。
「お前それで他の野郎にも裸見せてないだろうな!!?」
『?そう君と連勝なら見てるよ。カゲ様はすぐ鼻血で貧血になって倒れちゃうから見てるかどうか怪しいけど』
「その話俺と付き合ってからもか!!!?」
『…して、ないです』
「……な、ならいい。…そうか、それならまあ…いい」
本気で焦っていた上に、他の連中に比べて付き合いが浅いこともあって、正直本気で劣等感を感じていた。
しかし、驚いたような表情で彼女にそれを伝えられれば、一気に安心してしまう。
くっそ、何泣きそうになってんだ俺。
『……照れた?』
「…別に」
『…よしよしして??』
「いいだろう、こっち来い」
また、好きになってる