第5章 蛋白石の下準備
夜ご飯は和食…の予定だが、結局妖館で摂ることとなった。
というのもカゲ様からのはからいで、あまり無理にストレスを溜めないよう気を遣わせてしまったらしい。
カゲ様のくせに。
「…中原さん、僕の妹が…なにやら泣き腫らしたような目をしているのはどうしてです?」
「不甲斐ない俺が泣かせちまっ『そう君刀抜くのやめて』リア、お前の過激派組織怖ぇんだけど」
「嫉妬か?兄妹愛!!悦いぞ!!」
『元祖変態は放っておくとして、そう君やっと凜々蝶ちゃんとお付き合いできたんだ?おめでと』
「!…これも、リアのおかげです……ありがとう」
微笑ましくかわされる会話。
しかし、それに疑問を持った人物が数人。
「……えっ、し、白縹さんが…どうして知っている!!?」
「リア!?それ本当なのか!!?」
凜々蝶ちゃんと中也である。
こうなる気がしたから言わなかったけど。
『私悟りのクォーターだから…なんなら今日の凜々蝶ちゃんの下着まで答えられ「夏目君のようなことをしなくていい!!」ええ、そう君喜びそうなのに』
「そ、そうか…満更でもなかったんだな白鬼院の嬢は」
『……私に振られた哀れなワンワンは黙って外にでも出てればいんじゃないかしら』
なんだろう、思っていたよりもこの人の反応が面白くない。
リアクションとしては予想通りだし、何も狂いはないはずなのに。
「誰がワンワンだ、つーか振られてねえよ!!?」
「やーい振られた」
『カゲ様、これから二人でデート行く?』
「やったぞ、リアとデー…?……どうしたリア、何をそんなに拗ねている?」
『は?拗ねてないし…食欲失せたからとっとと行くわよ』
あれ、なんだっけこの感じ。
ちょっと前にもあったような気がするのに思い出せない…なんでこんなイライラするの。
「白縹さん…?…御狐神君、君何かしたんじゃないのか?」
「僕ごときがリアをあんなに落ち込ませられるとお思いですか?凜々蝶様…リアがあんなに徐ろに感情を外に出してしまうのなんて、中原さんに対してくらいのものかと」
「おいリア、振られてねえだろって…、っ…お、俺以外の野郎と二人で出かけるってのかよ!!?」
『だぁから、そうだっつって……、?……も、もっかい』
「はぁ!?だ、だからその…そ、外行きてぇんなら俺が……連れてってやんのに、なんで他の奴なんだって……な、?」