第5章 蛋白石の下準備
己の独占欲を誇示するべくして、付けられていくその華達。
彼の付けたがっていた太腿の内側や足の方…際どい胸の各所や背中に至るまで、啄んで、付けられていく。
そして私もそれに応えるように、彼の身体に付けていく。
『…身体、真っ赤っか。…お嫁いけない』
「俺の嫁だから問題ねぇよ、安心しろ。…乳首勃ってる、吸っても?」
『!!、…ど、…ぞ……ッヒ、……ん…っ』
裸、見られるの…恥ずかしくなってきた。
変なの、こんなことないようにしてきたはずだつたのに。
私の全部、見透かされてるような気がしてしまう。
『……、ちゅう、やさん。………手…ちょう、だぃ』
「…両手取られっと、片方ずつしか可愛がれなくなっちまうんだけど」
『ん、ごめんなさい…ごめん』
普通の子なら、こんなに厄介じゃないのかもしれない。
何も抱えてなければ、ここまで強請らないものなのかもしれない。
彼の好きなようにも、させてあげられない。
『…だ、いじょぶ……怖いとかじゃ、ない、から……大丈夫』
「…大丈夫じゃないだろ、こんなことされてんのに。…手、握ってちゃ繋げないんだけど?」
『………、す、好きにして、いいから…っ、…大丈夫、なの…ッ』
「俺、リアと手繋ぐの好きだけど?…恋人っぽいし、俺イチャつくの好きだし」
かないっこないわ、こんな人。
…そんなことばっか。
握っていた手を緩めて軽く開けば、しっかりと両手とも握られてしまう。
「ほら出来た。…可愛い奴」
『…美味しんですか、そんなの』
「ん?…甘ぇよ……ただなんか、こうしてると唇構ってやりたくなってきちまった」
『へ、へえ……そう言われるとダメって言いたくなっちゃう』
「なんでだよ」
『…中也さんの、その顔…可愛いか…ッひん、…!♡』
クニュ、と甘噛みされる胸の頂き。
背筋を反らせて、跳ねさせる。
ずるい、そんな風にするなんて。
「だァれが可愛いって?おい…」
『…、……ちゅうや、さんが…っ、…びっくりすると、こ…ッ♡……つ、いいじめたくなっちゃ…ッぁ、あ…、♡』
舌で扱いて、その舌が首筋まで這ってくる。
いじめられてるのはどっちなんだか…減らず口と言われる所以はこういう所なのだろう。
「…そういう悪戯してるお前いじめっと可愛い顔してくれんだよな。……わざとやってねえ?」
『…して、る』
「小悪魔め」