第4章 培われしは藍晶石の光輝
『国木田さん困ってそうだったから、一人にしてって言ってきました』
「結構行動派なお嬢さんなんだな?」
「行動派っていうかお人好しなんだよね」
『苦労の元凶が太宰さんらしかったから、同情しちゃって』
良い奴…!!
と感涙される始末。
元凶である太宰さんは国木田さんの様子を見ながら引いているレベルだ、他人事のように。
貴方のせいなんですけどね?
「ちなみにリアちゃん、探偵社になんか入っちゃって大丈夫?」
『大丈夫、恩は売ってあるはずだから』
「おや、それは初耳だ…妬けるねぇ」
『太宰さんから妬かれても嬉しくないかなぁ』
ビルの四階にエレベーターで上がれば、武装探偵社と書かれた看板が掛かる扉に辿り着く。
久しぶりね、ここに来るのも。
「やっとだな…長かった。……国木田です、太宰を確保してただ今戻りました」
「太宰でーす、確保されてきました〜」
『白縹ですー、確保に協力してきました〜』
「あっ、太宰さんやっと帰ってきた!国木田さんが朝からずっと探し……!!?」
「…え!、?な、なななななんで!!?」
中にいた人で、いち早くこちらに気が付いたのは、順番に谷崎さん、中島さん…それから江戸川さん、与謝野さん、谷崎さん、の妹さん。
宮沢さんは寝ているみたい。
「…誰だい?あんた」
「太宰捕獲の協力者だ。驚く程すんなりと成功してしまった…お茶菓子くらいはと思ってな」
『ども。御無沙汰してます』
知っている人に向けてぺこりと挨拶し、そちらに寄っていく。
知っている人…江戸川乱歩さんに向けて。
「おやおや、何事?君ちっちゃくなったね〜、久しぶりじゃない。お菓子食べる?」
はい、と向けられたキャンディーにパクリと食い付いた。
あ、美味し。
「おや、乱歩さんも知り合いでしたか」
「ふふん、僕は太宰なんかよりももう少し古くからの付き合いだからね!」
『乱歩さん、福沢さんは〜??』
「社長は今社長室に篭もっ「ふむ、聞き覚えのある声が今しがた事務室から聞こえたが…」わあすごい、出てきちゃった」
社長さんか、そうか、そうだった。
「お久しぶりです、白縹殿」
『殿とかやめてくださいよ、今私JKなのに』
「社長!!?り、りりりリアちゃんと知り合いなんですか!?」
「…では、リア殿。早速で申し訳ないが…何用で、このようなところに?」