第4章 培われしは藍晶石の光輝
思いの外自分が制御できずに落ち着こうと料理までし始め、それで精神統一を行う。
料理に集中しさえすれば恐らく気も紛れるだろう。
『で、きた…っ、ち、中也さん、これお弁……と、……じゃない!!!』
「ここまで渡しかけてやめるってお前…」
『ちが、ちがくてッ!…ち、違うの!ただの精神統一なの!!』
「精神統一な割には重箱の弁当か、お前いい嫁になるわほんと」
『よ、ッッ!!!?♡』
簡単に頭がショートする。
お、お嫁さん…ほ、本気だったんだこの人、いや知ってたけど、知ってたけどそんなに本気で…わ、私が中也さんのお嫁さん…?
じゃあ、結婚したらどうなるんだっけ…む、婿養子なら白縹中也さん?…いや、違和感がすごい。
……それならやっぱり…中原、リア…??
『…、り、あがなかは、…はぅ…♡』
「おーい、大丈夫か。戻ってこいー」
「うちのピュアっ子肉便器になんという入れ知恵を…っ、恐るべし中也殿」
「人のに向かって肉便器言うなこのド変態」
『り、リア中也さんのになる…?な、中原はまだ早いしその…えと、に、肉べ「それ以上言うな。そしてお前は?俺の??」…中也さん、の…リア、です』
口にさせては貰えなかった。
あまり使わない方がいいらしい、覚えておこう。
「よし、上出来。んで?その美味そうな料理誰の為に作ったんだよ…妬けるじゃねぇか」
『!!!や、妬いちゃう…?』
「そりゃあな?お前の手作り弁当貰える奴はこの世で一番の幸せもんだろうよ」
『…、い、いります…?こん、なのでよければ』
「俺にくれんの?他の奴にはやらない?」
『ち、ちちち中也さんがそういうなら…あ、あげます』
「さり気なく他の奴にもやらせない宣言をさせるとは…」
軽々と受け取られる重箱。
あれ、なんか中也さんの表情が…雰囲気が、柔らかい。
「ん、ありがとう……今日一日これでいつもより頑張れるわ俺」
『も、もう中也さんリアごと食べて…♡』
「お前食べてなくなっちまったら嫌じゃねえか、却下」
尻尾が大きく振れる。
な、懐いてる…うん、懐いてる。
いや、そうなんだけど…私ここまでちょろかったかしら…?
なでこなでこと撫でられればたまらない。
胸、苦しい。
何これ、動悸も激しくなってくるし。
『…、私今日心臓病で死ぬかもしれない』
「お前ほんっと乙女だよな」