第4章 培われしは藍晶石の光輝
「にしても、普段水中以外でそっちに変化しちまうことってねえの?」
『し、したら危ないじゃないですか…変化しないように、してます』
「成程な…俺の前ではしてくれてもいいんだぞ?」
『…恥ずかしいからなんかいや』
「お前の恥ずかしさの定義俺に分かるように教えて貰っていいか?なあ」
納得がいかなかったのだろう、かなり食い気味に質問された。
『う、鱗…とか、実際生々しいし……こんな、部屋とかじゃ水使えないから無防備にも程がある、し………り、リアルな生魚なんてグロテスクじゃない、です…か』
「…俺お前があの姿でも全然抵抗ねぇんだけど?」
『……狐の方が可愛がってもらいやすいのに、?』
「そういうことなら喜んでそのままでお願いしてやるよ、仕方ねえなあほんとに??」
布団を剥ぎ取られてそのまま抱きつかれてベッタベタに撫でて甘やかされる。
これだから言いたくなかったのに。
「あれか?あっちになると陸上で俺に甘えにくくなるって?」
『べ、別にそんなことないです、けど…あん、まり人に見せるような姿じゃ、ないからあんな見た目…』
「…俺ならお前の鱗一枚ごと磨きあげるくらいには愛せるけど?」
『……じゃあまたお風呂入れてもらおっかな、…連勝みたいに』
「待て手前今なんつった」
連勝にお風呂に入れてとたまに強請ることが私にはあった。
どういうことかというと、文字通り私の手の行き届かない所を洗ってもらうためなのだが。
『だから、洗ってもらってたの…鱗と尾鰭』
「リアちゃん、そういうのはこれから先いつ何時でも俺に言うようにしような?いい子だから…ほんと、いい子だから」
『……、中也、さん…恥ずかしいから、なんかやだ』
「なんだよそれ」
『しっ、知んない!!お、おお男の人に見られて恥ずかしい、とか…経験、無いし………知んない』
「…へ、へえ…そうかよ。じゃあまあ…その、気が向いた時でいいし。ただし、他の奴にはもうお願いしないでくれよ?…俺一応嫉妬しいらしいから」
『……可愛いからちゅうしてくれたらそうしてあげる』
言うが早いか、一瞬硬直してからすぐに執り行われるそれ。
何度か繰り返されたところで胸を掌で軽く押すと離れてくれて、息をゆっくり整えてから満足気に言った。
『ん、よく出来ました』
「…このドSめ」
『ふふ、お嫌い?』
「お前以外はな」