第4章 培われしは藍晶石の光輝
「じゃ、こっちは?」
とんとん、と軽くつつくような動きから、愛液と絡めて軽い力で撫でられるようになった。
『ん、ん…だ、だいじょ…ッン、…♡』
「…経験あるっつっても子供じゃねえの、やっぱり」
『そなこと、言ったって分かんな…っ…ど、どーて…ッ、ヒ、…んん…っ!』
「残念ながら卒業させて頂きましたよ、他の誰でもないリアさんのおかげで」
忘れてた、そういえばこの人は初めてだったんだっけ。
あれ、私そんなことも分からなくなるくらいに夢中にさせられてる…どうしよう、これ気持ちいい。
『……な、か…指、欲しい…』
「口悪くなんのか甘えんのかどっちかにしろって…可愛いけどよ」
チュプ、と入口に指を立てて、そこからゆっくり一本はいってくる。
それにぎゅうう、と彼に抱きついて、圧迫感をやり過ごして声を押し殺す。
ナカに入られるのは、やはり苦手だ。
気持ちよくなるより先に、こうして無力化されていくことへの自己否定が脳裏をよぎって仕方がない。
人間と言っても動物であって、私はその雌なのだと、自分で自分が虚しくなる。
「…なんで、泣いてる?痛てぇか?」
『…泣いて、ない』
「泣いてるっつの馬鹿…、…身体中力ませてっし、見ててすげぇ苦しそうにしてる」
『……く、るしくない、です…、』
「………苦手なこと、無理して俺のペースに合わせて背伸びしなくてもいいんだぞ?」
核心を突かれたような気がした。
目を丸くして、口が塞がらなくなる。
『え、…あ…な、にが…』
「俺は確かに今お前より歳上だし、付き合うってなるならこういうことも覚悟するような年齢に感じちまうだろ。…頑張ってくれてんの分かってるし、それに元々こういうことは長期戦覚悟で告白してるし、俺も」
『……、わ、わたしそんな、…こ、怖いとか全然…ッ』
「怖い以外にも、なんでもいい。今がその気分じゃないってだけでもいいさ…どこまでがいいのか教えてくれたら、それでいいから。お前の気持ちが着いてこられるようになるまで、何年でも…死ぬまででも待っててやるよ」
泣かされる。
また、この人はそうやって私を人間に戻してくれる…私を生きさせてくれる。
喉がひくついて、今度こそ彼に力いっぱい抱きついた。
情けない…本当に、こればっかりは情けない。
男の人にそこまで言わせてしまうなんて…こんなこと。