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glorious time

第4章 培われしは藍晶石の光輝


歯の羅列をなぞられれば彼に回した腕に力が入って、上顎のザラりとした所を撫でられればひく、と脚まで反応してしまう。
何このキス…優し過ぎて、とかされる。

彼の舌に応える余裕なんてものは私には無いのに、時折絡めて舌同士でさえキスされてしまうからたまらない。

気持ちがいいと言うよりは心地よくて、そういう気分にももちろんなりはするのだけれど…愛されてるなって、ひしひしと伝えられてしまって。

『ン、ふ…っ、……ふ、ぅ……ン…っ』

「……、?…リ、ア……!?ど、どうし…ま、まだ早かったか…?」

無意識に、初めてのその感覚に嬉しすぎて、泣いていた。

『ち、が…わかん、な…っ……、…中原さ、…わた、し…こん、なキス初め、て…ッ』

怖かったんじゃない…戸惑った。
自分の中で、嬉しいのだと処理するのに時間がかかって…どうしてこんなにも感動しているのか分からなくて、涙していた。

「初めてって…、…!」

ぎゅぅ、と抱き寄せれば彼も抱き締め返してくれて、ゆっくりと言葉に起こしていく。

『ぁ、の…す、き……過ぎ、て…泣い、ちゃった。…えへへ、…ごめんなさい……、…びっくり、して…でぃ、ディープキス、で…こんな、優しくされたの初めて、で…その…』

「…焦った。前怖がってたから、引き所間違えたかと思って……好き、なら…良かった」

心底、安心したように…しかし彼の方まで何だか幸せそうにして、言ってくれた。
変なの、嬉しいのは私の方なのに。

『わ、たし…なか、はらさんにキスされるの、好き。…なん、か…多分触れてるから、余計に……大事って、好きだよって伝えられてる気がして…ち、違ったらごめんなさい、ですけどその……』

「…合ってる……もう少し足りねえとしたら、大好きだし、ほかの何よりも本当はもっともっと大事にしたいし…こればっかりは初めてだから、言葉にすると軽くなっちまうかもしれないけど…愛してるよ、お前のこと」

『…ん。…伝わって、ます』

無責任なことは、言えないから。
私は貴方にこの気持ちを何と形容すればいいのか分からなくて、まだ伝えきれないけれど。

『私、も…中原さん、大好き。…いっぱい、好き………好きに、なってる』

嬉しかった。
ただただ、純粋に嬉しかったのだ。

言葉にして、それを伝えてもらえるだけで。
愛してるって、言ってもらえただけで。
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