第4章 培われしは藍晶石の光輝
ベッドに座った彼に抱き抱えられ、もう散々見ているだろうに、物珍しいようにして尻尾に触れられる。
少し、ゾクゾクするけれど…まあ、彼ならいいかなんて。
「柔らか、…平気か?痛かったりしねえ?」
『…ん』
「?やけに大人しいな。…あー、幸せってこういうのなんだろうな。マジで癒される」
そんな嬉しいことを言われてしまうと、感情的になって増えてしまう私の尻尾。
モフっ、と一気に量の増えたそれに、彼はうおっ!?と声を漏らした。
『そ、な…触りたがられること、無くって……、…』
モジ、と脚を内側に向けて擦り合わせてしまう。
それほどまでに、恥ずかしい…自分の痴態を見られているように錯覚さえしてしまう。
感度はかなりマシだけれど、その実身体が昂っている時はここの感覚は私を死ぬほど刺激してしまうから、比較的尻尾は取り扱い注意なのだ。
まあ、彼ならば構わないが。
「…もしかして裸見られんのより恥ずかしい?」
口元を軽く握った右手の拳で隠しながら、コクコクと小さく頷きを繰り返す。
するとピシ、と彼が固まってしまった。
「………俺って自分が思うよりデリカシーねぇのかもしれねえな」
『…リアが、変態なだけ…多分』
「んなわけあるか、どっちかっつうと俺の方がひでぇからそっちの方面は。…ごめん、油断してた…ほんとごめん」
『い、いいです…別に。…中也さん、幸せだそうだから』
「何お前ほんといい子…永遠に撫で続けてやれるわもう」
だって貴方、自分がどんな表情してるか気付いてないでしょう?
部下がいたら絶対に見せないような顔してるわよ、寧ろ貴方の方が発情期みたいな顔して…これ以上はやめておこう。
『………、…ご、めんなさい……し、た…あの。…そ、ろそろ……濡れちゃ…___』
途中から、声が出せなくなった。
あ、違う、これ言ったら中也さん、私の事軽蔑しちゃう…
あれ、私なんで自分からそんなこと言って…学習しなきゃ、愛想つかされちゃうのに。
息が、詰まる。
「そ、そうだよな、悪かっ…リア?」
『へ…、…あ、えと…ご、ごめんなさい、やっぱりなんでもない…です』
「……恥ずかしいことしてたんだ、生理現象だろ?…敏感なの知ってるし、濡れやすいのも聞いてるから理解してる…昼間のあれはやり過ぎた。本心じゃ、ないから」
何これ、目熱い。
…嬉しいのに、泣きそ。