第4章 培われしは藍晶石の光輝
うちのシステムを把握しきっている太宰さんは颯爽と警備をくぐって拠点から脱出し、首領にはメールで中也が報告。
ここからは、家に帰されることになった。
「…お前マジで生クリーム買って帰んの?普通に食った方が美味いぞ絶対」
『………食べないの?』
「あ?…お前が襲う側って……」
分かってないな、相変わらず。
私が言いたいのはそういう事じゃないし…ずっとそれとなくアピールしてるのにまだ気付かないか、この人は。
『…言、わなきゃ……わかんないですか』
「……俺には暫く触れられねえように務めるのが一番だと思うぜ」
『だから、…誰のせいか自覚ありますよね』
「張本人だからな、俺が」
『…………怖く、なくなるようにちゃんと…してって、言ってます』
外套をハンガーにかける彼のベストの裾を握って、言葉にする。
言っても躊躇うもの、この人は。
「…お前、俺がそんな器用なこと出来るような奴に見える?…リアの恥ずかしがってる姿見てるだけでも欲情できちまう自信あるくらいなのに?」
『だ、から…怖く、なくならせてくれたらいい。……気持ちよくしてくれたら、私も気持ちよくする、から…だから、その……
「………もしかしてそれで生クリームプレイとかバカみてえなこと言ってんの?」』
『ここまで気付かなかった馬鹿に馬鹿って言われたくないです』
反論しようとして、彼の正面に回ろうとする。
しかし、少し横から見ただけで気が付いてしまった。
耳の先が真っ赤になって、口元を手で抑えて…彼は本気で照れていたのだ。
罪悪感からそうじゃないと思うように務めていたのを、被害者である私の方がそれを壊してしまったのである。
「…気持ちいいのは、好きなのかよ」
『……どっかの誰かさんのせいで、ちょっとハマりそう』
「何、才能あんのお前…俺調子に乗って何言うか分かんねえけど」
『気持ちくしてくれるんなら、淫乱でもなんでもいいわよ』
へなへなと、言葉にならない声を上げて中也さんはうずくまってしまう。
顔を伏せて、こっちを見もしてくれない。
「…タチ悪ぃ。……MのクセしてドSじゃねえか、相変わらず」
『そりゃどうも?…で、仕切り直すの?それともこのままずっと私に手ぇ出さないの??』
「……お前今日寝るの諦めろよ?」
『下手くそだったらすぐ寝てやるから安心して下さい』
「お前な」