第4章 培われしは藍晶石の光輝
取引はお開き。
そして黒蜥蜴の三人によって、客人様方にはお引き取りいただいた。
「…なんで、組合の長に匿ってもらいはしないの?正直、戦力として申し分ない所か海外なら日本にいるより安全なんじゃないのかい?」
『お話しませんでしたっけ。…ほら、あっちには私の元許嫁がいますし、本家と繋がるようなことにはなりたくないでしょう?それに私は、ポートマフィアに借りがありますから』
「ううむ、寧ろ借りがあるのはこちら側のような……けど、そうかい。うちに所属してる以上は、全力を賭して君の力になるからね」
ありがたい言葉だ。
…なんで、フィッツジェラルドさんと戦わなくちゃならないんだろう。
どうして、そこに探偵社…太宰さんまで加わってくるんだろう。
私、あの人達と戦えるの…?
本当に、何も解決策はないの?
『………私、戦線離脱しちゃダメですか』
「…構わないけど、それで傍観するのも辛いんならおすすめはできないな」
言われてみたら、確かに。
何も手を出さないということは、何かを変える権利を持たないということだ。
それなら私は、何がしたい?
…分からない、どうすればいいのか。
ただ一つ、今も昔も私を救ってくれた彼を護ることを再重要項目として。
それ以外に、どうすればいいのか分からない。
「珍しいね、頭の冴える君がそんなに思い悩むだなんて」
『悪い人じゃ、ないんです。……悪い人なんて、いないんです』
「…思いつくことがあるなら、遠慮はしなくてもいいのだよ?」
『!!……いえ。私は…この組織の構成員ですから。それじゃあ、中原さんのところに戻りますね……明日は私がお供しても?』
「構わないよ、寧ろ学校はいいのかい?」
『事情は分かるまで脅…事情は理解して頂けてるので問題ありません』
今脅したって言いかけたねぇ、と聴こえるが、聴かなかったことにした。
「それならお願いしようかなぁ。もしかしたら探偵社の人間を見られるかもしれないしね」
けど、中也君とは別行動でいいのかい?
そう問われるとどこかもの寂しくなる気もするが。
ずるいなぁ、そんな質問するなんて。
『組合がいる上に探偵社まで集まるって状態が本当に出来上がっちゃったら、私が聴かなきゃ判断材料に欠けるでしょう?これからの作戦の』
「違いない。頼んだよ切り込み隊長ちゃん」
『変な呼び方しないで下さい』