第4章 培われしは藍晶石の光輝
中也を外に連れ出して、休日にはしゃぐ。
私がはぐらかしたのに気づいているのだろう、先程の質問の続きは聞いてこない。
『…何しよっかな。私、言うほど外のことって知らないの』
「…デートっつったのお前だけど?」
『うん、そうね…中也さん何かしたいことは?折角のお休みよ?』
「じゃあ今日一日敬称付けずに俺の事呼ぶように。以上」
『そういうのじゃなくってさぁ…?』
何やら相当敬称を付けられるのが嫌ならしい。
まあ…彼が望むのであればと、できる限り努力はしてみせるが。
『………中也、は…その、何か…ない?したいこと…』
「そうだな、強いて言うならお前の服でも見に行くか」
『?どうして??』
「だってお前、例のカゲ様とやらからもらった服ばっかりなんだろ?…なんかムカつくから」
『…えっと?』
つまりそれってどういうこと?
洋服の面倒まで見たいって感じのあれ?
「お前、服の趣味ねぇの?大抵のもん似合いそうな気はすっけど」
『服、は…ちょっと、分かんない』
「…似合ってるけど、もう少し露出度低い服にして。心配んなるから」
『心配…?』
「お前が他のやつから色眼鏡で見られんの、俺が無理」
何やら、私の服は露出度が高めらしい。
普通、だと思うのだけれど…カゲ様の趣味だし。
まあ、彼がそう言うならいいけれども。
『分かった、中也が嫌ならそうする』
「おう。肩出しとかマジでそれ凶器だからな…似合ってるけど」
『妖館でなら着ていい?』
「あそここそ変態共の巣窟なんだが…常に俺がついとけるような日が条件な。離れたらお前絶対変な輩に目ェつけられるから、絶対誘拐されっから」
『なんか過保護増してません…?』
それ程大事に思ってくれてるという事ならば嬉しい限りだが。
にしても、親バカってこういうことを言うのかしら…なんとなく、ほんのちょっと擽ったい。
「お前が可愛らしい格好してくれんのは大いに結構だし寧ろウェルカムだしもっと来いやってところなんだけどな?」
『あ、あの…そろそろ恥ずかし「お前俺の知らねぇところでナンパとかされたらすぐ助け呼べよ!?俺に!!!携帯持ってきたな!?」他の人こっち見てるからそろそろヤメテ中原さん』
これは重症だ、某シスコンよりもタチの悪そうな。
嫌いじゃあないけれど、恥ずかしいわよこんなの…白昼堂々、こんなとこで。