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お嬢と孔雀【歌い手】

第7章 丁か半か


『捕らえた二人の処分はどうしたい?
貴方達二人に任せてもいいし、私が決めてもいい』


「俺達がやる、いや、やらせて」


「僕も同じです」


『分かったわ、二人に任せる』




二人の目に宿るのは何の意思だろうか。私には彼らの中の感情は分からない。ただ、その中身が負ばかりでは無いことを祈るだけだ。


これでこの件について話す事は終わりだ。


気づくと、クロと天月がこちらを見ていた。二人にはこの後私が何をするか話しているからだろう。早く言えって所か。


luzに声をかけ、預けていた紙袋を持ってきてもらう。


中に入っているのはリングケースより薄く、一回りほど大きいケースが四つ。





『うらたぬき、志麻、坂田、センラ、貴方達に今から選択肢をあげる。今選んでもいいし、保留にしてもいい』


「選択肢ですか?」


『ええ、そうよ。貴方達のこれからを決めるもの』




私は彼らにケースを一つずつ渡す。
そして、開けるように促した。


それを見た七人の顔が驚きに染まる。




「これは婚約者のラペルピン⋯⋯」


「彼らに決めたんですね!」


『ええ、そうよ。
USSSのバックはそらるとまふまふ。他のファミリーと繋がっている痕跡はない。四人の能力も合格点。
なら、躊躇する必要は無いわ。
それを付けるか、付けないか、自分で選びなさい』





そう私が言うと、うらたぬきとセンラは迷わず付けた。


意外だ。うらたぬきは真実を知っていたからいいが、センラは知らなかった。だから、躊躇うだろうと思っていたのに。


彼らのボタンホールにピンが通される。
イメージカラーのジェイダイトと孔雀の羽で作られているモノ。
彼らのピアスとセットになるように作られている。


二人がつけ終わったのを見て、坂田もピンを付けた。彼の中でも覚悟が決まったのだろう。


これを付けることは、ボスの座を賭けた争いに身を投じるのと同じだから。






三人が付けても、志麻は付けることはなかった。私に返すことはない。
保留、という事だろう。





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