第7章 丁か半か
まふまふside
『そ、それは⋯⋯』
言葉が出ない。
知らなかった。
知ろうともしなかった。
いつまで経っても、お嬢はお嬢だ。
僕達が守らなければならない大切なヒト。
何を間違えたんだろう?
どこで間違えたんだろう?
いつから向き合っていなかったんだろう?
分からない。
分からない
そらるside
「そ、それは⋯⋯」
言葉が詰まるまふ。
だけど、俺はそんな微かな言葉さえも出なかった。
かわいいかわいいお嬢。
何も知らないお嬢。
親を殺されたお嬢。
心を壊したお嬢。
全て幻だったのだろうか。
いや、俺達は見るものを間違えたんだろう。
途中まではきっと合っていた。
だけど、俺達は進む方向を間違えたんだ。