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お嬢と孔雀【歌い手】

第7章 丁か半か


天月side


扉が開き、予想通りの二人が入ってくる。




「天月、どういう事?」


「なんでお嬢が怪我してるの?」


『そらる様、まふまふ様、お久しぶりです。なんで様が怪我をしておられるか?』




そこで僕は言葉を区切る。


もう見せていいんだ。全ての計画は終わっている。
全てを知ろうとしなかったこの二人にはきちんと現実を見せないといけないのだから。





『すでにあの我が主はボスとなられているから、いい加減、そのお嬢という呼び名を止めてくれる? 我が主はもうか弱い少女ではない。
貴方達二人が先代の事を思うあまり、我が主を蔑ろにした。それが怪我をなされた原因だよ』


「な、僕達はお嬢を蔑ろになんかしてないよ」


『なら、何故幹部の会議に出席させないの?』


「お嬢は分からないだろ。何も学んでいないんだから」


『ええ、そうだね。君達は我が主に何も学ばせていない。だから、自分達がやるしかないと思っている。

あははっ、滑稽だね。
我が主は全てを分かっていらっしゃるのに。何度あのお方が君達の尻拭いをしたと思ってるの』




僕の言葉に驚く二人。
当たり前だ。自分達でファミリーを動かしていると思っていたら、無能だと思っていた我が主に尻拭いされていたのだから。


でも、これは二人が知ろうとしなかった代償だ。





『あのお方は先代から全てを学び終わっている。出来ないのは戦闘ぐらいだよ。
でも、それは必要ない。血に濡れるのは僕達道具だけでいいんだから。

なんで、二人はの事を知ろうとしなかったの?』
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