第7章 丁か半か
センラside
バルコニーの侵入者を捕縛し、下の者に牢に運ばせる。
その間にもうらたんに問いたいことは山ほどあったが、そんな事を聞ける雰囲気ではなかった。
無言のまま、うらたんに付いて行く。
誰も口を開かない。開けなかった。
たどり着いたのは医務室。
扉には入室禁止の札が掲げられている。
だが、軽くノックをし、うらたんは中に入っていった。
俺達も後を追い、中に入る。
部屋の中にluzは居らず、いるのは一人の男。どこかで見た覚えがあった。
うらたんは彼に話しかける。
「様は?」
「左大腿部を撃たれた。他に目立つ傷はないよ。今は休まれてる」
『うらたん、いい加減に説明してくれます? それに、こいつは誰?』
「説明は僕がやるよ。にそうするよう頼まれてるし」
うらたんへの言葉を受け取ったのは彼だった。
それに、と呼んでいる。
こいつは何者や?
「僕は天月。専属の隠密だよ。
まずはUSSS、の思い通りに動いてくれてありがとう。おかげで大方は予定通り進めることが出来た」
「予定通りって何⋯⋯全部、様の掌の上やったん?」
「言い方が気になるけど、そうだよ。
全ての計画が上手く行った。あなた達のおかげだ」
『うらたんはこれは知っとったん?』
「彼は偶然聞いてしまったんだ。
だからこちら側についてもらい、あなた達の行動を見守ってもらってた。
責めないでね。非はこちら側にあるから」
「計画ってのはなんや?」
「うーん⋯⋯そこまで掘り下げた事はもう少し待ってて。
まだ役者は揃ってないから」
そう天月が言い終わると、廊下から足音が聞こえてくる。
ああ、そうだ。様に事があったのに、この人達が来ないはずがない。