• テキストサイズ

お嬢と孔雀【歌い手】

第7章 丁か半か


センラside


バルコニーの侵入者を捕縛し、下の者に牢に運ばせる。
その間にもうらたんに問いたいことは山ほどあったが、そんな事を聞ける雰囲気ではなかった。


無言のまま、うらたんに付いて行く。
誰も口を開かない。開けなかった。





たどり着いたのは医務室。
扉には入室禁止の札が掲げられている。


だが、軽くノックをし、うらたんは中に入っていった。
俺達も後を追い、中に入る。


部屋の中にluzは居らず、いるのは一人の男。どこかで見た覚えがあった。
うらたんは彼に話しかける。





「様は?」


「左大腿部を撃たれた。他に目立つ傷はないよ。今は休まれてる」


『うらたん、いい加減に説明してくれます? それに、こいつは誰?』


「説明は僕がやるよ。にそうするよう頼まれてるし」




うらたんへの言葉を受け取ったのは彼だった。
それに、と呼んでいる。
こいつは何者や?




「僕は天月。専属の隠密だよ。
まずはUSSS、の思い通りに動いてくれてありがとう。おかげで大方は予定通り進めることが出来た」


「予定通りって何⋯⋯全部、様の掌の上やったん?」


「言い方が気になるけど、そうだよ。
全ての計画が上手く行った。あなた達のおかげだ」


『うらたんはこれは知っとったん?』


「彼は偶然聞いてしまったんだ。
だからこちら側についてもらい、あなた達の行動を見守ってもらってた。
責めないでね。非はこちら側にあるから」


「計画ってのはなんや?」


「うーん⋯⋯そこまで掘り下げた事はもう少し待ってて。
まだ役者は揃ってないから」





そう天月が言い終わると、廊下から足音が聞こえてくる。


ああ、そうだ。様に事があったのに、この人達が来ないはずがない。
/ 107ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp