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お嬢と孔雀【歌い手】

第7章 丁か半か


ううらたぬきside


天月からの情報によると、今日に計画が実行されるらしい。


計画の最後では俺達が部屋に入る予定だ。
タイミングを間違えない為にも、俺は部屋の前で待機しておいた方がいいだろう。






そう思い、様の部屋の前に行く。
部屋の前には当番であるまーしぃがいた。




『よっ、まーしぃ。何か変わったことはあった?』


「うらさんか。特に変化はないで。
様は出てくる気配はないしな」


『やっぱりか、しばらく時間かかりそうだな』


「心に傷を付けてしまったからな。
殺される恐怖はなかなか払拭できやんやろ」


『早く治られるといいけど』




そう話しながら、俺は差し入れの飲み物をまーしぃに渡す。
俺も自分の分を取り出し飲む。








しばらく無言の時間がつづいた。


特に何も話す事はない。
いや、話せる事がない。


ちらりと腕時計を見る。
天月に言われている予定時刻まで後十分だ。




コツコツ、コツコツ




階段から聞こえてくる足音。


現れたのは坂田とセンラだった。




「まーしぃ、交替にきましたよ」


「あれ、うらさんも居る!」


『よっ。まーしぃに差し入れ持ってきてたから』


「うらさん、僕の分はないん?」


『ん。四人分持ってきてる。ほい、センラも』


「あ、ありがとうございます」




坂田とセンラにも飲み物を渡すと、談笑が始まる。


時計を見ると、後五分。
これくらいなら、引き止める事が出来るだろう。




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