第6章 賽は投げられた
坂田side
窓の外、綺麗に手入れがされている庭園を見ながら、ぼうっと考える。
視線の先にあるのは様と一緒にいったグリーンハウス。
あの時、僕は恋に落ちた。
花を愛おしく撫でるあの姿。
こちらを向き、ふと浮かべる笑顔。
そんな姿の彼女が可愛かった。
ちょろいなんて言われるかもしれない。
でも、それでもいい。
僕は彼女に惚れたのだから。
だからこそ、センラからあの話を聞いた時は苦しかった。
元々、危険な目に会わせたくない。
そんな思いでセンラに調査を頼んだ。
なのに、情報が来るのは遅かった。
様の襲撃に間に合わなかった。
それがあれば、元から止めることが出来たかもしれなかったのに。
ああ、自分が嫌になる。
なんで惚れた女を守れやんの?