第6章 賽は投げられた
坂田side
「あー、そうか!!」
『な、何や、いきなり』
隣の部屋から聞こえたセンラの声。
何か分かったようやし、聞きに行った方がええやろか。
そう思い、ドアをあけると、まーしぃも部屋から出てきていた。
僕と同じように思ったんやろ。
『あ、まーしぃ』
「坂田もか。センラは何を思いついたんやろな」
『分からんけど、あんな声出すのは珍しいよな』
「いい情報だといいな」
軽く会話を交わし、ドアをノックする。
センラも僕達が来るのが分かっていたのか、すぐにドアを開けた。
身振りでパソコンの前に連れていかれる。
画面にはパーティーで見たあの男達が映っていた。
「まず、志麻くんに説明するな。
坂田はあのパーティーの日に、怪しい二人組を見てたんや。で、それが誰か調べてほしいって言われてたん。
それがこの二人」
「そんな事あってんな」
「うん、それで様を襲撃した奴が持っていたナイフ、それにはこんな紋があった」
そう言い、センラは一枚の紙を僕達に見せる。
そこには一つの紋が書かれていた。どこかで見覚えがあるような気がする。
『どこかで見た気がするけど、思い出せへん』
「うーん、俺もや」
「思い出せへんと思うよ。これは二つの紋が組み合わされとるから」
「二つの紋?」
「うん、そう。一ノ瀬家と相川家の紋」
『一ノ瀬と相川って、裏切り者のあの家?』
「うん、そう。生き残りが居たみたいや。
で、そいつらは一つの家を作ったみたい。それがこの紋の家。一ノ川家
パーティーの時に居たのは、そらるさんとまふまふさんの兄みたいやで」
『でも、なんでその二人が様を狙ってんの? あれは誘拐が目的やろ?』
「様を人質にファミリーの何かが欲しいんやろ」
「問題はその何かですって。それによって取れる対策も変わってくる」
『まあ、でも、やれる事は様を守る事やろ』