第5章 不穏な空気の中
うらたぬきside
「彼らを捕らえる算段はついてる。後は動くのを待つだけ」
「計画を練り直す気はない?」
「ないわよ。luzも心配性ね。私の事をよくわかってるでしょ」
「96猫達並には分かってるつもりやけど。それでも心配になる」
「天月がやってくれるから大丈夫よ。彼はきちんと仕事をしてくれるもの」
「死ぬつもりはないよな?」
「当たり前よ。誰が死んでやるものですか」
様が死ぬ⋯⋯
どういう事だ?
手に取った缶が滑り落ちる。
甲高い音をたてて床に落ちた。
ガチャン
その瞬間ドアが開き、luzが銃を構えていた。
「うらたぬき? どうしてここに?」
その声を聞き、様が扉から顔を覗かせる。
俺の姿をみて、顔を歪ませる。
聞かれていたのが不味かったのだろう。
luzは銃をホルダーに戻し、様に場所を譲る。
様は静かに俺に問うた。
「どこから、聞いていた?」
『護衛に素を見せられないっていう所からです』
声が小さくなってしまうが、はっきりと答えた。
様は深く考えこまれ、俺をカウンセリング室に誘う。
「入りなさい、話はそれからよ」