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お嬢と孔雀【歌い手】

第4章 噂の広まるパーティーにて


世が更け、ホールに残っている人も少なくなってきた。そろそろ帰り時だろう。


ちょうど、話しているのは今回の主賓だ。彼にさえ挨拶をしておけば失礼にはならないだろう。





『あらあら、もうこんな時間ですわね。私達はそろそろお暇させていただきますわ』


「そうですか。なら、次のパーティーにも是非お越しください」


『ええ、楽しみにさせて頂きますわ』




そう言い、彼の元から去る。
そして足をホールの入口へと向けた。


坂田とうらたぬきは付いてきており、センラもこちらに来ようとしている。
志麻はどうするのかと思っていると、うらたぬきがスマホをいじっている。連絡をしているのだろう。


ホールを出、建物からも出ると、志麻がいた。きちんと合流は出来たみたいだ。




「様、お疲れ様でした。車はもう少しお待ちください」


『分かったわ。ありがとう、うらたぬき』


「いえいえ」




無言の中、車を待つ。数分もすると車が来た。


行きと同じようにセンラがドアを開け、乗り込む。
USSSも行きと同じ席に座っていた。




『まず、護衛ありがとう。何か変な事はあった?』




そう聞くと、僅かに坂田が反応する。しかし、彼は何も口を開かなかった。
隣のセンラは気づいているようだし、二人の中で情報共有はされるだろう。


一体、何に気づいたのか。
天月? それとも彼ら?
まあ、ここで言わないという事はささいな事のはず。それとも、私に言えない事?


そして、坂田以外の反応はなかった。




『うん、ならよかったわ。あ、そうそう。センラ、予定の調整があるけど会食の付き添いをよろしくね』


「俺ですか?」


『ええ、貴方を気に入ったみたい』


「分かりました」



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