第4章 噂の広まるパーティーにて
部屋に戻り、クロに脱ぐのを手伝って貰う。
お風呂に入り、メイクを落とす。
タオルで髪を拭きながらクロと話す。
「本日のパーティーはいかがでしたか?」
『楽しかったわ。彼ら四人もきちんと対応してくれたしね。でも、あの人達と話せなかったわ』
「本当にいらっしゃったのですか?」
『ええ、居ていらしたわ。今日は話したかったのだけれど』
「畏れ多いのでしょう。ですが、まもなくお話しする機会があるのでは?」
『彼ら次第よ。私の方から声をかけるのはまずいでしょう』
「確かに、周りの方が僻んでしまわれますね」
その時、ピロンとスマホがなる。
通知の内容を見ると、天月からだった。
内容は、無事に任務を終えた事。そして、あちらが焦っていること、動き始めること。
私は笑みが浮かぶのを感じた。
やっとあちらが動いてくれる。証拠を何も握れず待つしかなかったが、現行犯なら別だ。
後は罠にかかるのを待つだけ。
『ふふっ、やっとね』
私の一言でクロも内容を察したのだろう。彼女も頬を緩ませた。
「チェックメイトはもうまもなく」
『ええ、明日から忙しくなりそうだわ』