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お嬢と孔雀【歌い手】

第4章 噂の広まるパーティーにて


『お久しぶりですね』


『あらあら、そうだったんですか?』


『この四人? 私の新しい護衛ですわ』














会場に入ると、あっという間に人に囲まれる。
いや、人とは言えないか。これらはファミリーの力を手に入れたい物なんだから。


会場が少し暗くなり、ステージに照明がつく。今日の主賓が登場するのだろう。


私は柔らかく、周りの人達を押し返した。




「人気ですね、様」


『さあね。今からはうらたぬきと坂田は見回りをよろしくね。主賓がいるから、少しは減るでしょう』


「かしこまりました。坂田、行くぞ」


「了解。待ってや、うらさん!」




そう言い、二人はホールから出るための扉に向かう。


ステージでは、主賓が挨拶をし始めていた。


二人の後ろ姿達を眺めつつ、志麻がぼそりと呟いた。



「ここからは二人か⋯⋯」


『いや、一人かもしれないわ。志麻、頑張ってね』


「え、どうしてですか?」


『だって、センラは顔を売っておきたいんでしょ?』


「確かに広い方がええと思てますけど」


『なら、二人で話せるようにするかもしれないわ。となると、護衛は一人ね』


「俺の扱いが酷くないです?」


『護衛って言っても、絡んでくる人を制してくれるだけでいいから大丈夫よ。
私のお相手だし』





そんな事を話していると、主賓の挨拶が終わる。


何人かがこちらに振り向き、話しかけようとしてくる。


さぁ、始めようか。
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