第4章 噂の広まるパーティーにて
このリムジンの席はU字型に配置されている。
私は一番奥の席に座り、彼ら四人は横向きで座った。
『それじゃあ、今日のパーティーの予定ね。今日はお父様と懇意にされていたお方の御誕生会よ。
護衛は坂田とセンラ、見回りをうらたぬきと志麻に任せるつもりだったけど、変更ね。
最初は五人で行動するわ。その後、護衛を初めに志麻とセンラ、次にうらたぬきと坂田。見回りは逆ね』
「昨日の俺を見て変えたって言ってましたけど、なんでこれに?」
『元々、センラは私と一緒にいてもらう予定だったの。うらたぬきから顔を広めたいって聞いていたから。
坂田は食べ物を取ってきてくれそうだったから。パーティーだとなかなか食べられないのよ。人が多く来て、そんな事してる暇がないの』
「それって、様は僕が護衛の仕事を放ったらかしにして、ご飯食べてると思ったん?! 僕は仕事やったら真面目にしてるよ!」
「いや、坂田なら有り得る⋯⋯」
「確かにこいつはやりそうや」
「否定は出来やんね」
三人からもそう言われ、坂田は落ち込んだ。
まあ、仕方ない。私もそう思っている。彼は何かやってくれると。
『まあ、とにかく、初めの護衛は志麻とセンラね!』
「なんで坂田から俺に変わったんです?」
『センラは多分、見回りをせずにパーティー会場に残るでしょ。それなら、見回りを一人でやってもらわなきゃいけないから。志麻は周りを見る力が高いから、一人で出来ると思って。
本当は主催者側でやってくれるから、心配はしてないんだけどね』
「分かりました」
車がスピードを落とし始めた。
外を見ると、パーティー会場がすぐそこに見える。
さあ、行こう
これが四人の婚約者のお披露目だ