第3章 四人の護衛
志麻の話を聞き、素直に驚いてしまう。
確かに、私、クロ、天月の左足首には同じアンクレットがある。私は基本的に見せているが、クロと天月は隠していた筈だ。
しかし、それは完全に見られることは無いのでは無い。見えにくい、ただそれだけだ。
ほんの僅かな情報でここまで結んでしまう思考力、いや、野生の勘か? それには驚くしかない。
志麻は疑問形にしているが、確信は持っているのだろう。はぐらかしても無駄だ。なら、真実を少し混ぜてしまえばいい。それだけで信用度は何倍も増す。
『よく気づいたわね。確かに裏の性格はあるわよ。私はファミリーのボスだもの。それくらい当然でしょ』
「は何を企んでんの?」
『企むって酷いわね。私はファミリーの平穏を願っているだけよ。裏切り者や反逆には容赦しないわ』
「ま、とりあえずは信じとくわ。そろそろセンラ君来そうやし」
『この事は他言無用よ』
「分かってますよ、様」
緊張を解き、店の入口を見る。そこではセンラが店に入ってこようとしていた。
「あ、いた。、夕方には本邸に送ってもらえるそうですよ」
『ありがと、センラ。なら、これで目的は終わりね』
「もう帰りますか? もう少しゆっくりしていってもいいんですけど」
『大丈夫よ。いつまでもあなた達に気を張らせるのは申し訳ないもの』