第3章 四人の護衛
あれから車に乗り、直ぐに屋敷に帰ってきた。
行きと同じように喋れていたはずだ。今は二人とも護衛部屋に下がっている。恐らく、どちらかはいるだろう。
私はスマホを取り出し、メールでクロと連絡する。
《志麻に少しバレちゃった》
〈バレたって何が?!〉
《裏の性格の事と天月の事。天月の事は全部じゃないと思うけど》
〈結構痛手だね。でも、よく気づいたね〉
《前に天月の事見た事あったみたい。それと、アンクレットでバレた》
〈アンクレットかー。それは少し申し訳ない〉
《私からのプレゼントだもの。私のせい。ともかく、志麻の前では少し動きづらい》
〈そりゃ、バレてるとね。で、広まりそうなの?〉
《一応、他言無用とは言ってあるけどね。広まったら広まったで利用させてもらうわ》
〈さすが我らの主。頭が切れるね〉
《そのくらいはしないと。
そういや、天月はどうなの?》
〈上手くいってるみたいだよ。このままだと予定通りにいきそう〉
《ならいいわ。まずは明日のパーティね》
〈そこでどれだけ噂が広まるか、だよね〉
《すぐに広まるでしょ。あのファミリーの娘が四人の新しい側近を従えてパーティに来るんだから。邪推をしない者なんていないわ》
〈本当に全てはの手の内だね〉
《当たり前でしょ。まあ、早めに動く事を願うわ。待つのはもう飽きたから》
〈早く終わるといいね。お、髪留めが届いたみたい。持ってこうか?〉
《うらたぬきと坂田に持ってこさせて》
〈了解!〉
しばらくした後、ノックの音がした。
『どうぞ』
「失礼します」
「髪留めを届けにきました」
『ありがとう。こちらに来てくれる?』
私がそう言うと、近づいてくる二人。私は読んでいた本を置き、うらたぬきから箱を受け取った。
それと入れ替わりに、私はうらたぬきに箱を渡す。
『志麻とセンラにはあげたから、知っていると思うけど、はいこれ』
「俺達もですか」
『当たり前でしょ。坂田もよ』
「あ、ありがとうございます!」
二人は箱を開け、中のピアスを取り出した。
うらたぬきは緑のピアスを左耳に、坂田は赤のピアスを右耳にした。
『これからよろしくね』