第3章 四人の護衛
ショッピングモールの中に入り、店の中をちらちらと覗くが、なかなか良いものは見つからない。
うーん、一つ良いものはあったけど、それなら家にあった物の方が良かったな。
「どうです? 気になるのありますか?」
『あるにはあるのだけれど、色が気に入らないのよね』
「なら、俺が聞いてきますよ。どれですか?」
『これの薄いピンクがいいの』
「分かりました。聞いてきますね」
そう言って、センラは私から店員の元に行く。そのタイミングで、志麻が私の隣に来た。
『志麻は、店の中には入ってこないわよね。どうして?』
「通路だったらいいけど、店の中まで二人も男がいるのは邪魔やろ、だから。今はセンラ君がから離れたから来た」
『ちゃんと考えてたのね。志麻は買い物の付き添いなんて苦手そうだから、そのせいかと思ってたわ』
「ま、確かにセンラ君と比べたら苦手やな。俺はあそこまでコミュ力ないし。あ、センラ帰ってきたで」
「、この店には無いみたいんですけど、商品自体はあるそうなんで検索かけてくれてます。でもちょっと時間かかるみたいです」
『分かったわ。でも、ここで待ってるのは暇ね』
「なら、センラ君、ここで待っといて。俺はに付いてるし」
『なら、センラ、頼んでいいかしら?』
「ん、分かりました」
『じゃあ、行きましょう』
志麻を引き連れ、別の店に向かう。
適当に選んだ店は女物も男物も置いてあるカジュアル系のお店だった。
「へー、もこんなお店に興味あんねんな」
『まあ少しはね。でも家で着る機会もないし、買うことはないわね』
「でも、一着くらい買ったらいいのに。楽やで。そんなきついワンピースなんかより」
『仕方ないわよ。私はファミリーの娘だもの。たとえ人の目に触れなくても、相応しい格好をしないと』
「それは⋯⋯⋯⋯人を騙す為に?」