第3章 四人の護衛
そのまま朝食をとり、クローゼットルームへと向かう。ここにはパーティ用の様々なドレスが置いてあるのだ。
まあほとんどは、贈り物だったり、そらるやまふまふが買ったもので、私が選んだものはほぼ無いが。
ここに入るには私の部屋を通るしかない為、うらたぬきは護衛用の部屋にいる。
クロはあっちこっち行き、ドレスを集めていた。
「ファミリーと仲が良い御方の誕生日ですからね、それ相応の物にしないといけません」
そう言い、いくつかのドレスを持ってくる。様々なタイプであったが、どれも可愛い系のものだった。
「どうぞ、ご試着下さいませ」
それらを持ち、フィッティングルームに入る。クロは小物を選んでおくようだ。
結局、私が選んだのはパステルピンクのフィシュテール。確か、これは主催者からの贈り物だったはずだ。
「それになさるのですね。ならば、こちらはどうでしょうか?」
『靴とバッグはこれがいいわ。別の髪留めはない? そろそろこれは飽きてきちゃった』
「うーん、そうですね。これはどうですか?」
クロがいくつかの髪留めをだす。しかし、どれも合わない気がする。
『うーん、どれも違うわね』
「ならば、お買い物でも行きますか?」
『ええ、そうしたいわ。クロ、うらたぬきを呼んでくれる?』
「はい、かしこまりました」
クロは部屋を出ていく。しばらくすると、うらたぬきを伴い部屋に入ってくる。
「失礼致します。事情は聞きました。そらるさんとまふまふさんに確認した所、明日ならば許可がでるそうです」
『分かったわ、ありがとう』
「明日の護衛は志麻とセンラですので、伝えておきますね」
『うん、よろしくね』
「では、失礼致しました」
『ちょっと待って』
私はうらたぬきを引き留める。
彼は驚きながらこちらを見る。私のイメージからはこんな積極的な事をする子に見えないからだろう。しかし、思ったのだ。
待ってるだけではつまらない、と。
ならば、私から仕掛けても面白いだろう。それに、その方が早く事がすむ。彼らから直接情報を得たいのだ。
『一緒にティータイムをしましょう?』