第2章 わん!
理央「来たな、エセ関西弁野郎が」
「大阪に長居してたらそりゃあ移るもんや」
蒼生「僕はもう茅兄のエセ関西弁慣れたけどね!」
満「まぁ、散々聞いて来たからね」
『確かにー』
戌里「そうだね。ま、おはよう茅」
「おはようさん、みんな」
手をひらひらとさせがらコーヒーメーカーにマグカップを置く、四男の茅(ちがや)兄。
彼は2年間テニスの遠征で大阪にいた。そのせいか関西弁が移り、兄弟からエセ関西弁など言われている。片サイドだけ細く三つ編みにさせた赤髪に、理央兄同様の紫色の瞳を持つ18歳、高校生だ。
以上が今ここに住んでいる立花家のメンバー。
皆よく喋り賑やかでなによりなんだけど、残念ながら親と長男の礼二兄は一緒に住んでない。親は私たちを置いて海外旅行中、そして礼二兄は東京のマンションに一人暮らしだからだ。
ま、礼二兄は仕事柄仕方ないんだよね。
戌里「よし、皆揃ったからご飯食べようか」
『うん!』
今じゃ立花家の長男は戌里兄になっている。そんな彼の一声で私たちはテーブルを囲むようにして座り、
「「『「「「頂きます」」」』」」
朝食を取り始めた。
そんな今日の朝食は、食パンと昨日の残りの味噌汁だ。
一応立花家には役割り分担というものがある。
炊飯は私の担当で、そうだなー、戌里兄は風呂掃除担当。そうやってそれぞれ皆役割りがちゃんとあるんだ。ま、あげるとまただらだら話しちゃうからその話はまた後で。
って、誰に言ってんだか。
満「真白は食べないの?」
『あ、食べるよ』
ふと目の前に座る満に声をかけられ、私は自身が作った味噌汁を口に運んだ。
うん、我ながら美味い!