第4章 すりー!
ーー
「ねぇ蒼生君。一年生の男子が呼んでるよ?」
蒼生「え、僕を?」
「うん」
2年である蒼生の教室。
そのドアの前に瑞希はいた。
黒の短髪で見た目はかなり爽やか青年だ。
蒼生は椅子から立ち上がり、ドアの前にいる瑞希に近寄る。
そんな2人に周りの女子はイケメン2人に黄色い歓声をあげた。
瑞希「あんたが真白のお兄さんね」
蒼生「まさしく。で、君は?」
2人とも身長は180センチだから、互いの瞳が平行線で交わる。
瑞希「俺は真白のダチだ。今はな」
蒼生「今は? ーーまぁいいや。で、僕に何か用かな?」
瑞希「ああ。真白が美浜先輩に呼び出された」
蒼生の前、顔を伏せて瑞希は言う。
蒼生「え、真白が……?」
それに蒼生は状況が理解出来ず、まん丸の瞳を瑞希に向けた。
蒼生「一体どういう事?」
「俺にも分からない。ただ美浜の奴が教室に来て真白を屋上に連れて来いっていきなり言い出しーーっておい!」
真白が危険。
そう瑞希の情報から思っていたら、蒼生の足は迷わず動いていた。
後ろから聞こえた瑞希の制止の声も聞かず蒼生は屋上を目指す。
蒼生「(なんで俺じゃなく真白なんだよ!!)」
苛つく感情もそのままに向かう。
そんな蒼生の横
茅「あお……い?」
たまたま移動教室で理科室に向かっていた茅が、蒼生の動向を見ていた。
「茅? おい、どうした?」
茅「ちょいとこれ持っててや」
「え、は、え!?」
ーー