第3章 とぅー!
満「何今の?」
茅「えらい焦りようやったな」
真白が出て行ったリビング。
そのドアを見て、満、茅は目を丸める。
そんな彼らに原因を知っている戌里は目を細めた。
戌里「クスッどうしたんだろうね?」
そこには悪戯に微笑む戌里の姿。
彼は楽しそうに目を三日月にして笑う。
茅「なっ! まさかとは思うんやけど、真白に手出してへんよな?」
戌里「え? ああ、僕は出してないよ。まだね」
茅「まだ、まだ!? 流石に戌里兄さんでも許さへんで!」
満「まだって。はぁ、約束したよね? 僕たちはーー」
『ハックション』
最後の階段を登りきった時、大きなくしゃみが出た。
風邪引いたかな?
あとで生姜湯を飲む事を決めて、屋上のドアノブに手をかける。
『蒼生兄、まだ洗濯物……』
ガチャっと屋上のドアを開けると、柵に腕を乗せては頬杖をつき、すっかり暗くなった夜空を見上げる蒼生兄がいた。
え?
何をしているの?