第3章 とぅー!
満「ただいま」
茅「帰って来たでー」
「『!?』」
ふと、下から聞こえた声に私はパッと戌里兄の手を振り解く。
そして、私は心臓をバクバクさせながらも再び鶏肉を切り分ける作業に専念した。
ま、まままま、待ってーー!!
何今のはーー!?!?
だが、専念する所か脳内はパニックだ。
そんな真白の隣、戌里は静かに目を伏せる。
(ずっと我慢してたのに。ふっ、これじゃあ蒼生と変わらないな)
久しぶりに触れた真白の肌は柔らかくて、理性を吹っ飛ばすには充分な表情をさせていた。
しかし、もうそれ以上触れる事は許されない。
"兄弟だから"
茅「おーっ!今日は中華かいな」
『そうだよ。戌里兄と一緒に作ったの』
満「戌里兄と? じゃ今日は小説早く書き終わったんだ」
戌里「部分的にだけどね」
私はキッチンから出来上がった麻婆豆腐と油淋鶏、卵とじスープをローテーブルの上に並べていく。やっぱり人数が人数だけに、量もたっぷりある。
制服からスウェットに着替えた茅兄、満はそそくさとテーブルの椅子に座った。
満「美味しそう」
茅「せやなぁ、もうプロ中のプロや」
『いやいや、まだまだ全然だよ。ってあれ、蒼生兄は?』
周りを見渡せば蒼生兄だけがいない。
戌里「まだ洗濯物取り込んでるのかな?」
『え? ーーあ、あっあそっか!洗濯ね!じゃ、じゃあわ、私呼んでくるよ! 先にたつ、食べてて良いからね!』
ひーっ!戌里兄見るとさっきのがフラッシュバックしちゃうよ!////
しどろもどろとした態度を取ってしまったけど、私は痛む腹部を抑えながら駆け足で屋上に向かった。