第3章 とぅー!
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蒼生「で、パンダ事件が起きたんだよねー」
戌里「なるほどね、茅は寝ると本当に何されても起きないからね」
蒼生「だって水掛けても起きないくらいだもんなー!」
戌里「うん、寝てる人に水を掛けるのはやめようね?」
なんて話を咲かしている横、私は何気なく壁に立て掛けられている時計に目をやった。
『おっと、もう18時だ。皆帰って来るしご飯作らなきゃ』
蒼生「え、もうそんな時間かー」
時刻は18時。
部活が終わった茅兄、満が帰って来る時間だ。
理央兄はバイトだから20時頃の帰宅になっちゃうんだけどね。
とりあえず私は空になったティーカップを流し台に運ぶと冷蔵庫を確認する。
そして私は気付くんだ。
茅兄、蒼生兄の野菜嫌いについて何もしていないという事に。
ま、いずれ克服してもらえばいいか。
戌里「真白。今日は風呂掃除も終わってるし、手が空いてるから手伝うよ」
『ありがとう戌里兄』
ふと冷蔵庫から食材を取り出していると、腕まくりをしながら戌里兄が現れた。
蒼生「あ、僕も手伝う!」
『え? 蒼生兄は』
戌里「蒼生は洗濯物取り込む当番でしょ?」
蒼生「えーー! 僕も真白と料理作りたかったのにー!」
なんて言いながらちゃんと洗濯物を取り込む為、屋上に向かう蒼生兄。私と戌里兄は目を合わせて笑った。
戌里「今日の家庭科の授業はどうだったの?」
手分けしながら夕食を作っていると、フライパンの中を菜箸でかき混ぜながら戌里兄が聞いてきた。私は包丁で鶏肉を切りながら口を開く。
『クスッもちろん楽しかったよ。今日はハヤシカレー作ったの』
戌里「ハヤシカレーか。先生に良い評価もらえた?」
『厳しい先生なのにちゃんと星3つももらえました!』
そう言って、ニカッと笑いながら戌里兄を見れば、彼もまたニコッと笑ってくれる。