第3章 とぅー!
蒼生「じゃ行こ」
『うん』
蒼生兄に言われ、私は彼についていくようにリビングを出て階段を登る。
4階は蒼生兄と満、そして私の部屋があり、
3階には戌里兄と理央兄の部屋があって、
1階に茅兄と礼二兄、親の部屋がある。
そう、私たちのお家は背も高いのです。
『げ、お腹痣になっている』
自室に入って着替える為下着姿になると、高遠さんに蹴られた腹部が赤紫色に変色していた。
結構おもっいっきり蹴られたからなー。
私はそれを隠すように黒のパーカーを着て、ショーパンを履く。そしてドレッサーから髪留めを取ると、長い髪を後ろ手に一つ、結わいた。
これが家での私だ。
等身大サイズの鏡は、はねたミルクティー色の髪に翡翠の瞳を持つ私を映し出す。
『うーん』
この翡翠の瞳は戌里兄と同じだから嬉しいけど、……やっぱり兄弟には似てない。
高遠さんだったら美男美女の兄弟になってたのかな?
……いやいや、私はここの妹なんだから自信を持たなくちゃ!
戌里「はいどうぞ」
『わぁー!良い香り。ありがと戌里兄』
蒼生「へー、こんなティーカップあったんだ」
戌里「いえいえ。あ、そのティーカップは従兄弟からの貰い物だよ」
蒼生「あー、美智子さん家からのね!」
降りて来た二階リビング、ローテーブルには花柄の入ったティーカップが置かれていた。
私はすぐさま椅子に腰をかけるとそのティーカップを口に運ぶ。
うーん飲むと渋いけど、でも美味しい!
蒼生「このダージリンティーストレートでも全然飲めるね! これって小説に使う為に買ったの?」
戌里「いや、通販で見かけたからついポチッとね」
『出た。戌里兄は通販大好きだもんね』
蒼生「うんうん。外に出たくない性格だもんねー」
戌里「あはは、二人ともよくわかってるね」
私たちは椅子に腰を下ろし、密やかなお茶会を楽しむ。