第2章 わん!
満「どうしたの、真白」
『ううん、満、弓道頑張ってね。蒼生兄、茅兄!私先に行くね!』
蒼生「えーわかった、帰り駐輪場で待ってるからね!」
茅「前見ないと転ぶで」
『はーい!』
そして私は彼らから離れ、一人教室に向かう。
満は同じ学年だけどクラス違うから別々なんだよね。双子だから別々は寂しいけど、今日も今日とて私は一日頑張ろー
『え』
としたけど……?
「あ、やっと登校して来た。」
重たいドアを押し開き教室に入れば、私の机に足を組んで座る人物が目に入った。
名を高遠 莉乃(たかとう りの)
金髪の長髪にぱっちりとした瞳。顔立ちはアイドル並みに可愛いけど、ギャルグループのお頭だ。
クラス違うから私には関わりないと思ってたのに、なんで私の席に腰掛けてるの?
莉乃「立花さんは、今日も王子様たちと一緒に登校して来たみたいだね?」
『王子? あ、ああ、私の兄弟だから』
莉乃「私の兄弟か。羨ましいなー、あんなカッコイイお兄さん方がいて」
え、どういうこと?
莉乃「おいっ無視してんじゃねぇよ!!』
ガンっ!!
『ひっ!?』
机と机がぶつかり、激しく物音が鳴る。それに驚いた私は思わず上擦った声が出た。
な、急変!?
莉乃「ちょっと一緒に来い!」
『いたっ、ま、待って!』
莉乃「うるせぇよ」
『つ!?』
冷たい瞳が私を見下ろす。
その瞳に気負いした私はそれ以上言えず、高遠さんに腕を掴まれたまま勢いよく教室を出た。
その時何人かの生徒とすれ違うが、兄弟たちとはすれ違わなかった。
『あ、あの?』
なんでここ?