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鷹の目と銀眼の魔女

第2章 存在証明


正直、つるにはナマエの背負う大剣が異世界のものだと確かめるすべはない。
本当に、ミホークの推察とナマエの語ったことを信じるかどうかだった。
しかし、ふと気がついた。
ナマエがこちらに敵意がなく、多少怪しくても悪さをするつもりがないのなら、計画通り海軍に入隊してもらえばそれでいい。
深刻な人員不足だ。この際出生など気にはしない。大事なのは今である。
ナマエが入隊すれば、かなりの戦力アップになる。きっと強さだけなら大佐クラスだろう。もしくは、それ以上。

「あぁ、分かったよ。あんたの言葉を信じよう。ところで、その自慢の剣を使って海軍で働いてみないかい?行き場がないんだろう、仕事と、衣食住を保障する。どうだい?」

異世界から来たというのなら、島民の助けがあるとしても生活は大変だろう。
仕事を与える、とてもいい提案だ。断られることなど、微塵も考えていなかったのだが。

「ありがたい提案だが、海兵にはならない。すまんな」

「なんだい、よく聞こえないね」

ナマエの回答はつるの欲しかったものとは違った。
だから、聞かなかったことにする。こんな逸材逃したら、海軍は大損だ。
そんなつるの態度に、今度はミホークが呆れたように息をつくのだった。


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