第11章 つくばねの… 〔三日月宗近/R18〕
そして、やがて何かに気付いたように「あっ」と声をあげ、あきらかに顔を赤くした。
「違うよ、清光さんには相談に乗ってもらっていただけだから」
俺はおとなげなく言ってしまった。
「相談?清光には相談出来て、近侍の俺は相談相手にはなれないという事か?」
俺の剣幕に驚いた表情を浮かべた雅は、俺に謝ってきた。
「宗近さんごめんなさい。近侍なのに貴方に相談しなかったのは悪かったです。でも貴方には知られたくなかったから、おともだちのように話せる清光さんに相談したの」
「清光には知られても、俺には知られたくないとはどういう事だ…」
俺は少し声を荒げてしまい、俺のその姿に雅は座っていた場所から驚いてのけ反る。
「だから、ごめんなさい…でも宗近さんには…知られたくなかったから…」
俺は雅に間近くせまり、のけ反る雅に覆いかぶさるような体勢になる。
「…むね、ちか、さん…」
途端、雅の表情が違ったものに変わった。
審神者の顔から、おんなの顔。
ぞくりと俺のからだから雄が立ち上る気配を覚える。
「いつから…」
俺は疑問に思っていた事をぶつける。
「幼き頃は俺を『むねちか』と呼んでいた。いつから『さん』付けになった…」
俺の片手は雅の片頬を包む。