第11章 つくばねの… 〔三日月宗近/R18〕
一枚拾ってみると、俺たち刀剣のいろいろな数値が書かれていた。
「ほう…ずいぶん主は俺たちを研究したようだな」
どれだけ細かく調べていたのかと驚いて俺が言うと、雅は穏やかに答えた。
「相性も考えたよ。脇差を部隊に一振り入れると、二刀開眼するでしょう?あと刀の過去や出身を聞いて、なるべく同じ過去を持つかたたちを一緒にするとか、ね」
驚いたな、そんなに俺たちの事を考えているとは。
「俺たちの事をずいぶん考えてくれているのだな」
感心して言うと、雅はふわりと笑顔になる。
「みなさんの事がわかってくると、それだけ部隊を組みやすいし、組んだ部隊も働きが違うように思えるの」
すっかりその顔は審神者そのもので、俺は知らないうちに内面も成長していた雅を眩しく思った。
「えーと、それで、宗近さん、何かしら」
夜遅い時間におんなの部屋を訪れたのだ、用が無ければ本来は慎むべきであろう。
俺は途端に自分の黒い感情が表に出るのに気付く。
「主…雅は清光が好きなのか?」
「え…清光…さん?私が清光さんを好き?どうして?」
質問にきょとんとする雅。
「最近雅は清光と仲が良いと聞いたから…知りたくなっただけだ」
俺が言うと、まゆを寄せながら何故そんな事が、と思い出しているようだった。