第10章 変わった出陣 〔へし切長谷部/燭台切光忠〕
光忠が一人のおんなに問うと、聞かれたおんなはきゃっ、と顔を赤らめる。
「みっちゃんに質問されちゃった!」
おい、俺たちは何の用か聞いたんだがな。
「何ってレイヤーさんでしょう?写メさせてくださーい」
質問した隣のおんなが答える。
れいやぁ?しゃめ?なんだ、それ。
俺たちが意味がわからず立ち尽くしていると、天井がゆがみ一体の時間遡行軍が表れる。
すると驚く事がおきた。
俺たちを囲んでいたおんなたちが、時間遡行軍の単騎に対しても、俺たち同様に何やら言って囲んだのだ。
「どうやって上から降りてきたんだろうっ、かっこいいっ」
「こっちも完成度高いねー」
「時間遡行軍もかっこいいーっ」
「こっち目線くださーい」
「ポーズもお願いしますー」
い…一体ここは何なのだ…
呆然とする俺たちに、囲まれた時間遡行軍のやつも呆然としていた。
そして何故かこちらに助けを求めるような視線を送ってきた。
いや、俺たち、おまえを助ける義務、無い。