第10章 変わった出陣 〔へし切長谷部/燭台切光忠〕
「今回はお二人での出陣をお願いします。相手方も一騎しか襲来しないようですので」
主から燭台切光忠との出陣を命じられ、二人で時を超える。
指定された場所は…やけに人が多い。
「光忠、何だかやけに人が多いな」
俺が言うと光忠も首を傾げる。
「こんなところに来るのかなぁ…」
とりあえず人は多いものの室内に入り歩いてみると、やたらこちらを見られるのに気付く。
「光忠、何だかやたら見られてないか?」
「うん…ぼくもそう思ったんだ」
二人で戸惑い立ち止まった瞬間、何故かおんなたちにどばーっと囲まれた。
「すっごい、完成度たっかーい」
「本物みたい、かっこいいっ!」
「ポースお願いしまーす」
「目線、こちらにお願いします」
「かっこいいっ、超イケメンっ」
口々におんなたちに言われ、俺たちはなにごとかと驚いて立ち尽くす。
「えーと、ぼくたちに何の用かな」