• テキストサイズ

刀剣純情伝 《刀剣乱舞/短編集/R18》

第49章 肥前、捻じれた世界へ行く 2 〔肥前忠広〕


「あれぇ、タチウオくん、どしたの?」

フロイドがスピードを緩めて後ろの肥前に問うと、肥前はごくごく小さい声で答える。

「…酔った…」

「え…?飛行酔い?ヒトもすんの?ジェイドだけじゃねぇの?」

驚くフロイドの近くにラギーとレオナのほうきが近付く。

「タチウオくん、飛行酔いしたってぇ」

「ヒゼンくん、大丈夫っスか?」

フロイドが後ろの肥前を見ながら言い、次いでラギーが聞くと肥前はげんなりした表情を見せつつも小さく頷く。

「…なんとか…」

「おい、地上に戻れ。この顔は我慢しているが限界に近いぞ」

レオナが冷静にフロイドに指摘すると、フロイドは「もうちょっと遊んでいたいんだけど」と少し口をとがらせるものの、肥前のことを気遣ってしぶしぶながら下降した。

「ほらぁ、着いたよ」

地面に着くと肥前はほうきから手を離し、よろりとほうきから足を抜いてその場にへたりこんだ。

「ヒトって弱いねぇ」

フロイドの言葉に同じく降りてきたレオナが言う。

「こいつはヒトじゃないんだろう?」

「あ、そっか、刀とか言ってたっけぇ」
/ 790ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp