第49章 肥前、捻じれた世界へ行く 2 〔肥前忠広〕
「んで、何でおまえらもいんの?」
フロイドと肥前だけのはずが、何故かレオナとラギーがいた。
「レオナさんが噂のヒゼンくんを見てみたいって言うから、連れてきたんスよ」
ラギーがにへへと笑いながら言い、レオナは明らかに眉をよせて不機嫌さを露わにする。
「オレのせいにすんな、ラギー。おまえだって異世界のやつが、どんだけここでやっていけるのか気にしていたじゃねぇか」
「んまぁ、そのへんは否定はしませんけどね。レオナさんもヒゼンくんがどんな子が見てみたいって言ったじゃないスか」
「ふん」
ラギーを一蹴するとレオナは肥前に近付き、じろじろと上から下まで眺めた。
「おめぇ、ヒトじゃねぇ匂いがすんな」
肥前は少し眉間にしわをよせる。
「…オレがヒトじゃないってなんでわかった?」
レオナは自分の嗅覚が当たったことににやりとし、一歩肥前に近寄って言った。
「匂いだよ。ヒトの匂いがおめぇからしねぇ」
「えっ、ヒゼンくんはヒトじゃないンか?じゃあディアソムニアと同じ妖精族なんスか?」
レオナの言葉にラギーが慌てるように問う。
「違う。オレの本体は刀だ」
「…カタナ…?」とラギーが首を傾げたところで、フロイドが続けて言った。