第47章 嘘つきな秘密 〔明石国行/R18〕
数日して遠征へ一部隊が出掛けて行き、ほんの少し本丸は静かになった。
「明石と万屋に行ってきます」
そう口実をつけて主と明石は万屋行きの散歩へ出掛けた。
「雅はん」
明石が主の名を呼びお互いの指を絡めるように繋ぐ。
「明石さん…」
「今日は他に誰も付いてきてないし、ええでしょ」
明石なりのデートの誘い方と主への触れ方に彼女はえへ、小さく答えた。
「もちろん…嬉しいな」
審神者と刀剣男士が恋仲になると、たいてい男士が審神者を守るように肩や腰を抱いて外を歩くようになる。
男士の独占欲が主はオレのものだ、と周囲に主張しているのでわかりやすい。
この明石も手をつなぐことで、漏れなく主が自分のものであるとさりげなく主張しているのだ。
万屋へ行くと審神者は必要なものを手早く手にする。
「ゆっくりでかましまへんよ」
明石が買い物を急ぐ主に声を掛ける。
「ううん、大丈夫。あとひとつだから」
すぐ目当てにものを見付けて会計を済ませ、その時には外で待っていた明石の許へ戻ると、明石は当然のように買い物の袋を持つ。