第47章 嘘つきな秘密 〔明石国行/R18〕
「ありがとうございます」
明石は反対側の空いた手で審神者の手をまたつなぎ、本丸へ戻る道とは違うところを歩いた。
ある店の前に着くとそのままのれんをくぐって入ると、受付の者に場所を説明され廊下を歩く。
説明された場所に入るとぱっと電気が点き、そこの内部がよくわかった。
「わぁ…」
審神者はそれを見て、つい、声を上げる。
「ここに置きますよって」
買った荷物を置くと明石は声を掛ける。
「あ…うん…」
審神者は自分の私物の手提げを、買ったものの隣に置く。
すると審神者の視界が少し暗くなったと思うと、明石にすっぽり抱き締められていた。
「はぁ…ようやく雅はんを独占出来ます」
明石の言葉に審神者は「うん…」としか答えない。
明石は後ろから審神者の頬にキスを何度もし、首筋にも唇を這わせた。
「…んっ…」
審神者はそれに軽く反応すると、抱き締めている明石の腕を外し、くるりと反対を向いた。
そして明石の正面を向くと自ら明石の背中へ腕を回して抱き着いた。