第46章 肥前、捻じれた世界へ行く 〔肥前忠広〕
「ちょ…ちょっと…待って…今、何て…言った…肥前さん…?」
驚く雅に聞かれて肥前はもう一度同じ事を言うと、雅はまた「ちょっと待って」と肥前を止める。
そして雅は、自分のスマホを手にすると何やら操作し画面を肥前に見せた。
「ねぇ、肥前さん、もしかして仮面付けた黒ずくめってこの人…?」
「あっ…」
肥前の態度で理解した雅は、またスマホを操作し違う画面を見せる。
「あっ…フロイド…」
またも肥前の口から出てきた名前で雅は完全に理解した。
「信じ難いけれど…肥前さん…貴方が行った世界ってこのゲームの世界だと思う…」
「…どういうことだ?」
「これはツイステッドワンダーランドっていうゲームなの。舞台はナイトレイブンカレッジという学校で、この黒ずくめの人はディア・クロウリーっていう学園長。そしてほうきに乗せてくれたのは、このゲームに出て来る主要キャラクターのひとり、フロイド・リーチっていうの」
「…じゃあ、アズールなんとかってキャラクターもいるのか?」
「ひぃ!アズールにも会ったの!?」
途端、雅は叫び、スマホを急いで操作し画面を見せる。
「アズール・アーシェングロットはこのひと」
「あぁ…会ったぞ、この人物なら」
雅はその言葉に「うらやましいぃぃぃ」と叫んだ。